昭和52年07月13日 民集31.4.533
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【項目】 支出の原因行為が憲法違反である場合の支出の違法性 【津地鎮祭事件】 |
【要旨】 公金の支出が違法となるのは単にその支出自体が憲法に違反する場合だけではなく、その支出の原因となる行為が憲法に違反し許されない場合の支出もまた、違法となる |
【事実関係】 市体育館の起工式(市主催)を、神社神職主宰の神式で挙行し、公費でその費用が支出された。原審は、起工式は憲法20条3項の禁止する宗教的活動に該当し許されないものであり、従ってこれに基づき市長としてなした公金支出は、憲法89条の適用をまつまでもなく、基本となる権利義務関係が法律上許されない以上、違法な支出たるを免れないと判断 |
【関連判例】 (原因行為と財務会計行為等との関係) 昭和52年07月13日 民集31.4.533 (違法(憲法違反)な原因行為と財務会計行為の違法性) 昭和60年09月12日 集民145.357 (原因行為に違法性が認められなかった事例) 昭和62年05月19日 民集41.4.687 (違法に締結された随契の効力及び契約履行義務) 平成04年12月15日 民集46.9.2753 (違法な先行行為に基づく財務会計行為の違法性) 平成15年01月17日 民集57.1.1 (違法な旅行命令に対する旅費の支出) 平成20年01月18日 民集62.1.1 (土地先行取得委託契約と取得土地買取契約の関係) |
【判決文の抜粋】 公金の支出が違法となるのは単にその支出自体が憲法89条に違反する場合だけではなく、その支出の原因となる行為が憲法20条3項に違反し許されない場合の支出もまた、違法となることが明らかである。所論(上告理由)は、本件公金の支出が憲法89条に違反する場合にのみ違法となることを前提とするものであって、失当である。 |