平成06年11月08日 集民173.275

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【項目】

地方自治法243条の2第1項所定の職員に対し同条3項所定の賠償命令が発せられている場合と右職員の普通地方公共団体に対する賠償責任の有無及び範囲

【要旨】

地方自治法243条の2第1項所定の職員に対し同条3項所定の賠償命令が発せられている場合、右職員の普通地方公共団体に対する賠償責任の有無及び範囲は、右賠償命令の命ずるところに限られる

【事実関係】

収入役管下の出納室長が町の基金から10億円余を横領した事案につき、住民が監督義務違反を問い町長・助役・収入役を被告とする、請求額10億円余の4号訴訟を提起。収入役には、地方自治法243条の2第3項による賠償命令が町長から発せられており、その内容は、収入役の責任割合を3割とし、同人の負うべき賠償額を3億4千万円余とするもの。原審は、収入役に前記賠償命令の範囲で賠償を命じ、町長・助役への請求は棄却

【判決文の抜粋】

 原審の適法に確定した事実関係の下において、被上告人が○町に対して負担する賠償責任の有無及び範囲は本件賠償命令の命ずるところに限られるとした原審の判断は、正当として是認することができる。